2分で読める「生成AIのいま」 Vol.8 -患者に寄り添う生成AI 医療におけるAIチャットボットの活用について-

診断や治療だけでなく、患者さんへの情報提供や教育、感情的サポートも医療者の役目ですが、多忙な我々は、これらを常に提供できるわけではありません。

そんなギャップを埋める新たな手段として、生成AIチャットボットが注目されています。

では、いつものとおり医療田さんと機械屋さんの解説でお届けします。文末には実際のAIチャットボットのリンク先もありますので、ご興味があれば確認してみてください。

医療田さん

「ねえ機械屋さん、あたしたち医療従事者ってホントに忙しくて、」

機械屋さん

「そうですよね。」

医療田

「患者さんが欲しいだけのサポートや気持ちに寄り添う時間が十分に取れないのが悩みなのよね。

できれば全員の患者さんに、惜しみなく時間と気持ちを割いてあげられればいいのだけど。。」

機械屋

「それは大変ですねえ。」

医療田さん

「病名をお伝えするにしても、患者さん一人ひとりに丁寧な説明とかフォローアップをしたいけど、時間が足りないのよ。」

機械屋さん

「最近は、AIチャットボットがその問題を補う方法として注目されていますよ。

以前、AIの導入で『医師ファースト』、つまり医師が下した決断の患者さんへの情報伝達を、AIが補完する、という話をしましたが、それにもつながると思います。

特にメンタルヘルス領域では、RCT(ランダム化比較試験、信頼性の高い研究)で効果が確認されている事例も出てきました。」

医療田

「へえ、RCTでちゃんと効果があるんだ。すごいね。。」

機械屋

「そうですね。

また、寂しさを感じる人や誰かと話したいだけの人向けに“友達”として機能するAIコンパニオン的なAIも存在します。

そういったシステムは医療サービスというより、“ユーザーの心の支え”として提供されているケースが多いです。

孤独感の緩和はメンタルヘルスに直結しますので、間接的に健康維持にも役立つとされています。」

医療田

「確かに、孤独が健康におよぼす負の影響って大きいっていうもんね。」

機械屋

「ええ。

ちなみに、ですが、最近の生成AIが脚光を浴びる以前も、ルールベースで患者さんの質問や悩みにこたえる旧式ボットもあったんです。

ただ、これらよりも、生成AIを使ったボットのほうが心理的負担を軽減するという報告もあります。

なにしろ、AIは疲れませんので、常に一定の優しい対応が保証されますし、受診をためらう方にも匿名で利用しやすい利点があるんです。

一例ですが、製薬会社のアストラゼネカが遺伝性乳がんについての人工知能チャットボット「ブルーカ」というサービスの提供を始めました。

ウェブアプリのリンク先と、実際に使っている様子が見れる動画をこちらに貼っておきます。

また、患者さんの画像について説明する生成AI「ReXplain」も興味深いです。。正常のCTと比較して説明してくれるので、患者さんにもわかりやすいのではないでしょうか。英語になりますが、よかったら見てみてください。」

「ブルーカ」ウェブアプリ:https://www.nyugan.jp/heritability/br-ca/

「ブルーカ」デモ動画:https://www.nyugan.jp/heritability/pr-movie/

「ReXplain」:https://arxiv.org/html/2410.00441v2

「ReXplain動画」:https://youtu.be/KmwkqVEAAzA?si=eMwt4vqU71dwskNS

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群馬大学さまにて 生成AIについての講義を担当いたしました!