2分で読める「生成AIのいま」 Vol.7 —”Forced Collaboration”を乗り越える、生成AI活用戦略 医療画像編—
前回は、AIの導入による作業効率への悪影響、いわゆる"Forced Collaboration"について紹介しました。今回は、AIを最適化するための解決策を模索してみます。
ひきつづき、医療田さんと機械屋さんの会話でお送りします。
医療田さん
「ねえ、機械屋さん、前に“Forced Collaboration(強制的協働)”って現象があるって教えてくれたよね。
どうやったらあれを解決して、もっと上手くAIを使えるようになるわけ?」
機械屋さん(回答者・丁寧語)
「AIと人間の作業分担をしっかり最適化することがカギなんですよ。
たとえば、先日聞いたRCRカンファレンスでは、画像診断領域では3つの方法が紹介されていました。」
5. Forced Collaborationへの対策:作業分担の最適化
医療田さん
「へえ、3つって?」
機械屋さん
「1.まずはAIファーストです。
たとえば患者情報や画像の処理をAIが行って、医師が診断しやすいようにおぜん立てするとか、たくさんの症例を緊急性に応じてあらかじめトリアージするとか、そういった取り組みですね。
2.次は医師ファースト。
診断を行った後にそれが正しいかAIによりダブルチェックをしたり、医師が行った診断や治療方針を、患者さんにわかりやすくAIアバターが伝える、などがこれに当たります。
3.そして分担。
これは“頻繁に起こる典型パターンはAIに任せ、レアケースは人間がやる”というやり方です。さっきのAIファーストの""AIは「よくある事例」が得意ですので、そういったケースは任せておく一方、微妙なケースは人間の知恵の見せ所、という具合ですね。
」
医療田さん
「なるほど、、一概にAIといっても、しっかり役割を決めると、一気にイメージがわいてくるね。」
機械屋さん
「はい。あとは、人間とAIが別々に結果を出して、食い違ったらもう一度確認する方法がありますね。お互いが独立に判断するので、心理的な影響を最小化できます。ただこの場合、作業量は減らず、むしろ増えることになりますが。」
6. 今後の課題と展望
医療田さん
「いずれにせよ、道のりは思ったより長そうだね?」
機械屋さん
「まだ課題は多いですね。利用するユーザーの状況や性格などによってAIの有効性にばらつきが出てくることも考えられますし、責任の所在を明確にするルールづくりなんかが大事です。
まあ、課題なんて、実際取り組んでみなければ見えてきませんからね。それだけ、AIを有効に利用しようとする機運は高い、ということではないでしょうか。
OpenAIのサムアルトマンさんも、向こう5年のAIで一番大事なのは、ユーザーエクスペリエンス、つまりいかにみんなにとって使いやすいものにするかだ、と、最近のインタビューで答えていますが、このことにも通じるのではないでしょうか。」
医療田さん
「そっか。うまく役割分担を考えたらAI活用はもっと現実的になりそうだなー。」