★ 2分で読める「生成AIのいま」 Vol. 2
~未来のAI「OpenAI o1」を理解するためのカギ、Chain of Thought~
今回は、OpenAI o1と向き合う上で覚えておきたい「Chain of Thought (CoT)」について、なるべくわかりやすくお伝えします。
AIの進化は、「学習」から「推論」へとシフトしています。
たとえば、一夜漬けで詰め込む学生が、じっくり時間をかけて考えるようになると成績が上がるように、
OpenAI o1も「推論」に力を入れることで、生成される文章の精度がぐっと上がっています。
この推論を深める方法として重要なのが、Chain of Thought (CoT)です。日本語にすると、「思考の連鎖」といった感じでしょうか。
これは、複雑なタスクを、解決できそうな課題に切り分けて、段階的に検討いていく、というものです。
私たちも、難しい問題に取り組むときには、自然と問題を小さなステップに分けて考えますよね。CoTもまさにその考え方です。
たとえば、
「週末に参加するイベントについてアドバイスして欲しい」
という問題があったとします。
これを次のように分けて考えてみましょう。
1. まずは概要を把握
イベントの場所、時間、季節、目的など、基本情報を確認。
2.次に時系列で考える
2.1. 事前準備
イベントの概要をもとに、準備すべきことを整理。
2.2. イベント中の心得
- 誰とどのように話すか?
- どんな話題が良さそうか?
2.3. イベントのフォロー
- 感謝の連絡など、フォローアップはどうする?
このように
「概要→事前準備→参加中→その後」と段階ごとに考えていけば、よりよいアドバイスができるというわけです。
これまでのChatGPTでも、プロンプト(AIへの指示)に「ステップバイステップで」とか「じっくり考えて」なんて言葉を加えると、このCoTが発動すると言われていました。
また、ユーザー自身があらかじめ課題を細分化して、AIに段階的に指示する、という方法でもCoTは実行可能でした。
そして、新しいOpenAI o1では高度なCoTが内蔵されているのだそうです。